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はてなブックマーク - 特集:コラム 山吹【やまぶき】ー バラ科  花言葉:崇高
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春雨に匂へる色もあかなくに香さへなつかしい山吹の花  古今和歌集  詠人知らず
(春雨に映えるその姿も見て飽きることがないのに、その香りさえいとおしく思える山吹の花)

特集:コラム 山吹【やまぶき】ー バラ科  花言葉:崇高

初夏と見紛うような日と肌寒い日を繰り返しながら、日差しがだんだんと強くなってきました。今月は枝いっぱいに咲く姿が美しい、山吹についてご紹介します。

山吹は山間の湿った場所に自生する、日本に古くからある植物の一つです。
旧暦の春は「梅の花に始まり山吹の花で終わる」といわれており、晩春から初夏にかけて
赤みがかった黄色の花を咲かせます。

特集:コラム 山吹【やまぶき】ー バラ科  花言葉:崇高

「山吹色」といえば黄色の代表的な色ですが、黄系統で花に由来する色名は意外と少ないのです。
また、山吹の花に陽が当たると黄金のような色に見えることから、江戸時代には山吹というのは大判・小判のことを指す隠語として使われていました。

冒頭の和歌に匂うや香という言葉が使われていますが、実際の山吹の花にはさほど香りがありません。
かつての日本人は、対象そのものが漂わせている雰囲気を、香という言葉に含ませていたように感じます。

香道の世界では香りを「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現し、鑑賞するには研ぎ澄まされた感性が必要とされています。
五感の一つだけを使うのではなく、感覚というものは全てにおいて繋がっていることを理解していたのでしょう。

特集:コラム 山吹【やまぶき】ー バラ科  花言葉:崇高

自身が持っている感性をできる限り使い、ささいな変化を見逃さずそれを楽しむ、日本人が得意としてきた行為を改めて日常生活の中に取り入れていきたいものですね。